建替え体験談

建替え体験談

Rebuilding experience story

初台サンハイツ

建替え体験談(第二弾)。
今回は「初台サンハイツ」の建替え事業について、元建替組合の新井理事長、田村理事、福森理事、事業コンサルタントであった中川氏を迎えて「建替えのきっかけ(建物の課題)」や「合意形成」についてお話しいただきました。

part 1建替えのきっかけや課題

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建替えのきっかけや課題

建替えに至るまでの経緯等

初台サンハイツ(渋谷区)は、1978年(昭和53年)に竣工した4階建て40戸のマンションで、建物の老朽化が進行したこと、渋谷区の絶対高さ制限の導入が決定したこと等が大きな要因となって建替えを進めることになった案件です。
平成12年に建築委員会を設置。平成16年にコンサルタントを起用、平成17年には事業協力者を選定し建替えの検討を深め、平成19年(築29年時)に建替え決議可決。建替組合を設立して事業推進し、平成22年に竣工・引渡しを迎えました。

建物老朽化に直面

(新井理事長)
初台サンハイツは、建替え決議時点において築29年のマンションでしたが、それまで大規模修繕をまったくといってよいほど実施していませんでした。 屋上にはたくさんの雑草が生え、雨漏りの懸念がありました。また外壁タイルにはひびが入ったり、剥落もありました。
また住戸の排水管は下階住戸の天井裏に配置されていたことから、メンテナンスが容易ではなく、漏水事故も発生するようになりました。
そのような状況もあり、「これはなんとかしないと」ということで建替え検討が本格化していきました。

(田村理事)
私は平成7年に初台サンハイツを購入しましたが、翌年以降、上階からの漏水、温水器の故障等、多くの不具合に見舞われました。これはもう大規模修繕では解決しないと思いました。

(福森理事)
初台サンハイツは30年で初めての大規模修繕であったことから、様々な不具合と多額の費用が想定されました。そのようなタイミングで前面の山手通りの拡張計画が実現することになり、建替えがより実施しやすくなるのではないかと考え、積極的に建替えの方向で検討を進めることになりました。

新井理事長

田村理事

絶対高さ制限の導入

初台サンハイツの建替えの背景には「絶対高さ制限」の導入決定もありました。当エリアにおける高さ制限は、当初計画していた建替え案の階数が確保できず、建物の専有面積が減少してしまう内容でした。
面積が減少すれば各権利者の負担が増してしまうことから、導入前に建替えに踏み切りたいという意向も高まり、建替え決議への後押しになりました。

福森理事

セミナーの様子

part 2合意形成

part 2

合意形成

合意形成への取組

建替え検討を進めることは、権利者の意向を束ねていくことでした。そのためには情報共有や不安や意見の把握・集約はとても重要なことだと考えていました。
権利者のだれでも参加できる検討の場を設けるなど、透明性のある検討体制があった。検討を推進するメンバーと一般権利者の方々とが一丸となった取組が今回の建替え事業の成功につながったと思われます。

情報共有や意見集約の工夫

(新井理事長)
建替えの検討は、当初は委員会が進めていましたが、より効率よく意見集約や情報共有ができるようにと理事会メンバーや一般の権利者も参加できるような仕組みにしました。(名称:拡大理事会)
常時15~20名近く(権利者の約半数)が参加したので、効果はあったと思います。

(田村理事)
隣戸の住人が誰だかわからないようなマンションではなかったことは、検討を進めるにあたってプラスに働いたと思います。ご近所付き合いの中で情報交換が行われていたとすごく感じました。

(福森理事)
理事会だけ、委員会だけ、といった少人数で検討を進めていると、検討状況の全体感を把握しづらいと感じていましたので、権利者の多くが一緒に情報共有できる機会はとてもよかったと思います。
また、頻繁に集まったことにより、それまで疎遠だった方と挨拶・会話をするようになりました。そういうことも合意形成につながったと思います。

(新井理事長)
検討を進めるにあたり困ったことは、皆さんが参加しやすい打合せ場所の確保でした。そこで考えたのが現地管理人室の控室をリニューアルし会議室として活用することでした。費用は若干かかりましたが、委員会に参加しやすくなり、合意形成も進んだと思います。

セミナーの様子